デジタルサイネージとは、デジタル(=動画など電子情報)を出稿できるサイネージ(=看板)という意味で、つまりは広告を放映するモニターです。
ひとくちにデジタルサイネージといっても、掲出(出稿)場所や手法はさまざま。
ここでは、その効果や設置場所などの種類、料金などの条件を比較して紹介します!
デジタルサイネージの効果
デジタルサイネージの特長は、なんといっても動画の広告を掲出できること。
動画の情報伝達力は、文字の5000倍ともいわれています。
動画は、文字や画像にくらべて伝わりやすさが違います。
たとえば、料理の初心者が言葉だけで「塩こしょう 適量」と説明されてもどのくらいが適量なのかわからないかもしれません。
しかし、レシピ動画で塩こしょうをふるようすが見られれば、具体的な量がわかります。
このように動画では、見る人の年齢や言語・知識レベルなどに左右されずに、言葉だけでは伝わりにくい抽象的な内容、雰囲気、臨場感までも伝えることができるのです。
また、動画広告の話題になるとよく挙げられるのが、「メラビアンの法則」。
人と人とのコミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%のウェイトで影響を与えるという心理学上の法則です。
音声と映像の両方で伝える動画であれば、なんと93%をカバーできる計算です。
電車のトレインチャンネルなど音声が入れられない場合は、映像に字幕をつけて対応していることが多いですね。
街中や駅・電車・バスに設置されている広告は、テレビCMやYouTubeのスキップ不可広告とちがって十分な閲覧時間を確保できない可能性があります。
そのため、いかに短い時間でたくさんの情報を伝えられるかがモノをいいます。
伝達力が高い動画と、一度に多くの人に見てもらえる屋外広告。
この2つを組み合わせることによって、広告の効果はさらに高まります。
デジタルサイネージの種類と料金
≪デジタルサイネージの概要≫
放映方法:
-
ロール
複数の広告主の動画をひとつなぎにしてリピート再生する。
「○○分に1回流れる」「1ロール○○分」という仕様 -
ジャック
掲出期間内に単一の広告主の動画のみを流す
モニター:
ワイドサイズ(16:9)が主流。4:3もある。
インチ数は設置場所によって異なる
設置場所:
街中(建物の壁面や屋上)、駅、電車内などさまざま。
リテールメディアとしてコンビニなどの店舗
商業施設やオフィスビルの喫煙室やトイレの個室 など
≪デジタルサイネージの料金≫
広告掲出費:
広告枠の料金。メディアによって期間・プランなどが異なる。
制作費:
動画の制作費。
制作会社や、制作部門のある広告代理店に依頼することが多い
作業費:
放映準備のためにかかる場合あり
街中のデジタルサイネージ
ビルなどの建物に設置されているデジタルサイネージは、サイズが大きく、高い位置に設置されていることが多いため遮られることも少なく、多くの人の目に留まりやすいといえます。
設置場所の環境から、その大きさや形もさまざまで、モニターの形に合わせた工夫が生きるインパクトの強いデジタルサイネージです。
基本的に1面での契約がメインですが、渋谷駅前のスクランブル交差点などでは、複数のモニターで同時に広告を放映することも可能。
そのぶん高額で、専用の動画を用意する場合が多いです。
≪街中のデジタルサイネージ 掲出費例≫
- クロス新宿ビジョン
1枠15秒/1時間に2回/48万円/1週間 - 渋谷スクランブル交差点 Q’S EYEビジョン
1枠15秒/1時間に2回/50万円/1週間
※価格は記事制作時のものです。実際の価格と異なっている場合があります。
バスのデジタルサイネージ
路線バスでも、近年デジタルサイネージでの広告出稿がさかんになってきました。
路線バスのメリットは、駅や電車よりも細かいエリアに絞って掲出できること、そしてほかのデジタルサイネージに比べて圧倒的に安価であることです。
安価で手が出しやすいため、地域の小売・医療機関やサービス関連などの業種での利用が多く、はじめてデジタルサイネージ広告を出稿する人にも向いています。
ロール放映が多く、1週間~1年と長期にわたって掲出することができます。
≪バスのデジタルサイネージ 掲出費例≫
- 国際興業バス 池袋営業所
1枠15秒/1ロール10分/48面/44万円/1年間 - 中央区コミュニティバス 江戸バス
1枠15秒/1ロール約6分/6面/23万7,600円/1年間
※価格は記事制作時のものです。実際の価格と異なっている場合があります。
駅のデジタルサイネージ
駅の構内に設置されているデジタルサイネージは、街中のものとちがって複数のモニター枠がセットで売られていることが多いです。
面(モニター)数、サイズ、期間、掲出費など条件は駅によって異なりますが、通常の掲出であればロール放映が一般的です。
駅によっては、ポスターや垂れ幕などほかの広告と合わせたジャック放映のプランがある場合もあります。
≪駅のデジタルサイネージ 掲出費例≫
- JR池袋駅 中央改札内
1枠15秒/1ロール6分/16面/20万円/1週間 - JR東京駅 丸の内地下連絡通路
1枠15秒/1ロール6分/9面/12万円/1週間
※価格は記事制作時のものです。実際の価格と異なっている場合があります。
また、駅のデジタルサイネージで有名なのが新宿駅の東西自由通路にある超大型の横長広告!
たびたび話題になり、写真や動画をとりに足を運ぶ人もいるようです。
- JR新宿駅 新宿ウォール456
1枠30秒/1ロール3分/1面(H1.7×W45.6m)/200万円/1週間
※価格は記事制作時のものです。実際の価格と異なっている場合があります。
電車のデジタルサイネージ
大都市を中心に、電車内の電光掲示板も液晶モニターへの切り替えが進んでいます。
この液晶モニターを利用した電車内のデジタルサイネージは、停車駅などの案内モニターとともにドア上に設置されていることが多く、高い視認率も確保できます。
電車のデジタルサイネージ枠は路線ごとの販売が主で、全線セットや女性専用車両のみで放映されるセットもあり、面数が多く価格も高めです。
そのぶん広範囲・多属性の乗客に訴求することができ、ゲームや動画配信サイトなどスマホユーザー向けの広告や、通勤中の会社員向けのビジネス関連のソフトやサービスなど、乗客が電車に乗るシチュエーションをふまえた広告が掲出されています。
≪電車のデジタルサイネージ 掲出費例≫
- トレインチャンネル JR東日本 中央線快速
1枠15秒/1編成80面(女性専用車両含む)/110万円/1週間 - 東京メトロTMV 東京メトロ全線
1枠15秒/1ロール15分/計317編成(2,576両)19,492面/340万円/1週間
※価格は記事制作時のものです。実際の価格と異なっている場合があります。