バス広告には、Web広告でいうインプレッション数(表示回数)はこれ!クリック数はこれ!というような、効果に直結する測定方法がありません。
そのため、バス広告の効果って?ちゃんと効果が出るのか?費用に見合ってるか?といった疑問は、バス広告をはじめとしたOOH(Out Of Home/屋外広告)にとって永遠のテーマともいえるでしょう。
今回は、そんなバス広告の効果について掘り下げます!
バス広告の「効果」とは?
そもそも、バス広告の効果はどこに現れるのか?
来客数や契約数を1週間や1ヶ月単位で集計して、そこに如実な変化があればわかりやすいですね。
もちろんそれもあります。
が、バス広告の効果はそれだけではありません。
バス広告を見た人がお店に来るのは今日かもしれませんし、数ヶ月後かもしれません。
バス広告を見てホームページを検索したら、それはホームページの広告効果として集計されます。
バス広告による影響はすぐ出ることもあれば時間がかかることもありますし、ほかの行動を促すことでバス広告以外の広告効果として現れることもあります。
このように、バス広告の効果とは必ずしも「バス広告を見て問い合わせた・来店した客数」で測定できるものではないとわかります。
では、なにをもってバス広告の効果とされるのでしょうか。
実は、答えはいたってシンプル。
「広告に接触する回数」です。
広告施策のゴールとバス広告
広告を打つ目的、つまりゴールは、最終的には「客数の増加」「売上の増加」である場合が多いです。
このゴールをめざして、知名度アップを狙ったり、キャンペーンや期間限定のイベントを企画したり、さまざまなメディアを活用して広告施策を行います。
バス広告はこの、いちばん最初の「知る」効果を担う広告です。
つまり、バス広告に絞って広告の目的を考えると、「知名度のアップを狙う」「周知する」ということになってきます。(もちろんそれ以外もありますが!)
この立ち位置はテレビCMと似ています。
テレビCMも、その強力な知名度アップ力を発揮して周知をはかることを目的とした広告です。
テレビCMの効果測定
テレビCMには、視聴率をもとに効果測定を行う方法があります。
しかし、それだけではなく、Web広告をはじめとした他の広告の動きも合わせて見ることが推奨されています。
視聴率の測定機器はすべてのテレビに取り付けられているわけではなく、また実際はテレビを注視していない場合もあるからです。
つまり、視聴率をもとに算出した数値はあくまでも推定。
他の広告もあわせて分析してはじめて、「テレビCMの効果」として結論を出せるのです。
Web広告と比べると時間も労力もかかってしまいます。
それでも、テレビCMの知名度アップ力が絶大なのは確か。
だったら、効果測定しやすい他の広告に誘導しよう!となったのが「つづきはWebで!」「今日の折込チラシで!」といった謳い文句であり、企業の名前や良いイメージを定着させよう!となったのが、環境に配慮した施策の紹介や企業そのもののイメージアップを狙った、いわゆるブランディング的なCMです。
このように、テレビCMでは高い「知名度アップ力」をいかして、興味をもたせ次の行動に誘導したり、企業に対して好意的なイメージをもたせたりしています。
購入や契約に直結しない場合でも、お客さんの心の中に買いやすい環境をつくることが非常に重要なのです。
まさに、将来結果につなげることが可能な、取りこぼしのない広告メディアといえるでしょう。
バス広告は、いわばこの小規模版です。
テレビCMほど予算をかけたくない…エリアを絞りたい…
そんなとき、テレビCMよりも低価格かつピンポイントな商圏で同じ役割の広告を出すことができます。
バス広告の効果
テレビCMでは、視聴率からおおよその広告接触回数が推測できます。
では、バス広告は?
効果測定が難しいといわれがちなバス広告ですが、実は広告接触回数を計算する方法があります!
例)
・側窓ステッカー 300人×20台×12ヶ月=219万回
・まど上ポスター 300人×100台(営業所全台)×12ヶ月=1095万回
あくまでも推定ですが、こうしてみるとバス広告にもかなりの知名度アップ力があると思いませんか?
また、バスに乗っている間は広告に接触し続けます。
もちろんずっと広告を見ているわけではありません。
しかし、バスは電車に比べて車酔いしてしまう人が多く、スマートフォンから目を離して景色を見たり乗り降りで場所を移動したりと、バス広告が視界に入ってくる瞬間は意外とたくさんあります。
さらに、路線バスは生活の足なので、通勤通学・通院などといった目的で習慣的に乗車されます。
たとえば、週5日間往復で乗るとなれば、週に10回乗る(=広告に接触する)ことになります。
くりかえし広告を見ることで刷り込み効果を期待できるのは、バス広告の大きなメリットのひとつです。
ちなみに、都市部の大型看板や駅・電車のデジタルサイネージでは、スマートフォンの位置情報や顔認証センサー付きカメラ、監視カメラなどを用いて広告接触回数を測定する方法が始まりつつあります。
広告を見た回数だけでなく、どんな性別・年齢の人が広告を見たか、さらには人の行動や趣味嗜好、価値観などの動向も把握し、広告施策に生かす取り組みが行われています。
認証技術やプライバシー保護の問題もあり、正確な数値はまだ出せませんが、これからどんどん精査されて広がっていくでしょう。