路線バスで行き先や停留所を知らせる車内アナウンス。
用意された原稿にアナウンサーが声をあて、細かいニュアンスを調整しながら音声を作成していきます。
今回は、そんな車内アナウンスの収録のようすを取材してきました!
録音ブースへ潜入!
マイクが置かれた録音用のスペースと、音声編集のためのミキサーがあるスペースに分かれています。

収録のようすを見学します!
アナウンサーさんがスタジオ入りし、まずは打ち合わせが始まります。
今回収録を担当するアナウンサーさんはこちらの方!

中西礼子さん
愛知県出身。
20代で国際興業バスのオーディションに合格後、
路線バスをはじめとしたさまざまなアナウンスやナレーションを担当。
収録前の打ち合わせ
今回の収録では、バスアナウンスの停留所名変更に伴う撮り直しのほか、公共施設で放送する案内や選挙のお知らせなど、数件の原稿が用意されています。

中西さんは、事前に渡されていた原稿をもとに音声の編集担当と最終確認。
語句の読みや切れ目、イントネーション、指定された秒数以内に収めなければいけないものを実際に声に出して読んでみて確認します。

いよいよ収録開始!
収録ブースに移動して録音を開始します。

まずは公共施設で放送するお知らせから。
句読点で区切る「間」や読み上げの速さなどをその場で修正しながら、数パターン録音していきます。
録音した音声はミキサーで調整し、再生して確認。
さらに、部分的に録り直して完成度を上げていきます。
選挙のお知らせは前回の録音データがあったのでそれと比較し、読み上げの速さなどを調整しました。
バスのアナウンスを収録
つづいて、バスのアナウンスを収録していきます。
今回は停留所名の変更に伴う収録なので、
①新しい停留所名のアナウンス
②その停留所で放送している音声広告
計2種類の再収録を行います。
停留所名アナウンスのうち、「【停留所名】」と「【停留所名】でございます」はそれぞれ別に録音しました。

バスアナウンスや放送広告の原稿には、地名や店舗名・企業名などの固有名詞が含まれ、特殊な読み方をすることがよくあります。
また、サービス内容と店舗名・企業名が続いている場合もあり、切れ目やイントネーションにも注意します。
収録中に単語のイントネーションに迷ったときは、何人かで確認して決めます。
場合によっては2~3パターン録音して、広告主に選んでもらうことも。
日本語としての正しさをふまえつつ、前後のつながりや広告主の意図も考慮して、より良い広告に仕上げていきます。

すべての収録が終了しました!
お疲れ様でした!
アナウンサーさんにインタビュー
今回、収録を担当したアナウンサーの中西礼子さんにインタビューを行いました!


収録の時に大切にしていることは?
中西さん:テンションです!明るく読むことを心がけています。
以前はその日の感情が声に乗ってしまっていました。そういうのって指摘されないとわからないんです。テンションの上がり下がりに左右されずに、一定のトーンを保つことを大切にしています。

この仕事の醍醐味はなんですか?
中西さん:やはり、自分の声がバスで流れることですね。初めてバスで自分の声を聴いた時はうれしかったです!地元の路線バスのアナウンスを担当していたときは、それを聞いた両親も喜んでくれました。
テレビ番組の路線バスの旅で自分のアナウンスが流れてくるのも嬉しいですね。


収録のおともがあれば教えてください。
中西さん:龍角散です。飴タイプが持ち歩きしやすくて気に入っています。最近はタブレットもあるみたいなので、試してみたいです。
あとは、ハチミツを飲んでいたときもありました!
それから、お腹が鳴りやすいので甘いものも常備しています。チョコレートとか、すぐ口の中で溶けて収録を始められるので。

最後にメッセージをお願いします!
中西さん:最近はバスに限らずさまざまなアナウンスがAIなどの機械に置き換わりつつありますが、人の声の良さ、あたたかみ、アナウンサーの個性など、いろいろな可能性を感じながら聞いていただけたら嬉しいです!

ありがとうございました!